2020年3月12日木曜日

変化する入試制度 ~今後どのような能力が求められるのか~

こんにちは、AAの萩原です。
今日のブログのテーマは「入試制度改革について」ということで
タイトルは少しふざけますが、とても真面目な内容になっていますので
皆さん是非読み進めてみてください。
 
1.入試制度改革では何が変わるのか
各大学の入試は、
文部科学省が公表する「大学入学者選抜実施要項」に則って実施されます。
実施要項は、いわば大学入試のルールブックといえるものですが、
共通テストが実施される2021年度入試から新たなルールを設定したものに見直されます。
そして今回の入試改革で求められているのは、
多面的・総合的に能力を評価する入試への転換です。
つまり学力の3要素と呼ばれる
「知識・技能」
「思考力・判断力・表現力」
「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」
をバランスよく評価するために入試が行われていくことになります。
 
次に入試区分ごとの変更点を見ていきます。
 
2.AO入試と推薦入試について
今回の制度改革により、
AO入試は総合選抜型、推薦入試は学校推薦型選抜へと呼称が変わります。
また内容面では、各大学が実施する評価方法(小論文、プレゼンテーション)や
共通テストの活用を必須化することが示されました。
スケジュールに関しても全体的に後ろ倒しになる変更があり、
総合型選抜の出願時期は9月以降、合格発表時期は11月以降、
学校推薦型選抜の出願時期は11月以降、合格発表時期は12月以降となります。
 
3.国公立大学の対応
多面的・総合的な選抜が重視される方向性が示されるなかで、
国立大学では推薦・AO入試が年々拡大しています。
国立大学の団体である国立大学協会は、
現在2割に達していない推薦・AO入試の募集人員の割合を、
最終的には3割まで拡大するという方向性を示しており、
今後さらに推薦・AO入試の募集枠を拡大していく動きは今後も続きそうです。
 
また、一般入試についても基本方針に変更があり
原則すべての国立大学の1次試験として共通テストの5教科7科目を課すとともに、
論理的思考力・判断力・表現力を評価する高度な記述式試験の実施や、
主体性等を評価する観点から、
調査書や志願者本人が記載する資料、面接等の活用が示されました。
このように、学力試験では測ることのできない能力や態度を評価する取り組みは
今後もさまざまな形で実施されることが想定されます。
 
4.私立大学の対応
私立大学は各大学が同じ枠組みで入試制度を管理しているわけではないため
それぞれが異なった改革を進めています。
そのため自分の志望校の入試制度にどのような変更があるのか、
最新の情報を追っていく必要があります。
 
以下、大きな変更点があった早稲田大学を例に紹介していきます。
早稲田大学では、2021年度入試より、
政治経済学部、国際教養学部、スポーツ科学部の3学部の一般選抜で、
共通テストを必須にすることを公表しました。
このうち政治経済学部では、独自試験として
記述式の解答を含む日英両言語による長文読解を新たに課すとして、
大学のホームページにはサンプル問題が公表されています。
 
また、早稲田大学などの都市部トップ層の私立大学では
受験者数が数万人になることもあり、受験生一人一人に面接を行うことは
現実的ではありません。
そのため、出願時に「高校時の主体性・多様性・協働性に関する経験」の
提出を求める動きが出てきています。
ただし、これらの内容については合否判定には使わず、
大学入学後の参考資料とする大学が多いようです。
 
2021年度入試以降の制度改革では何が変わるのかについて、
いろいろ話しましたが、いかがだったでしょうか。
 
一個人としては、
「高校生により高いレベルの求められる能力が求められることになるんだなあ、、」
というのが率直な感想です。
僕自身、受験期には110時間以上必死に勉強していましたが、
おそらくそれだけでは対応しきれないのではないかと思います。
それだけ受験生にはより高いレベルのアウトプットが求められており、
日頃の学習の重要性がなおさら高まってきているということです。
 
今後、また入試制度の変更などがあればブログ等でお知らせしたいと思います。
最後まで読んでくれた君、ありがとう!!!
 
(各大学で実施する入試の変化|こう変わる!大学入試|Kei-net