2023年12月14日木曜日

物理学の面白さpart7

みなさんこんにちは。AAの佐藤です。今回も物理学の面白さについて話させてください。

 

 なお、今回に関しては、高校物理を履修している方向けの高度な話をしようと思うので、物理を履修していない方は、気になるよって方だけ読んでいただけたら幸いです。

 

 さて、入試でよく聞かれる、ヤングの実験について話します。

え、もう知ってるって? 光路差を求めて、それが波長の整数倍だったら強め合い、半波長倍だったら弱めあうだけでしょ?

 甘いですね。大学物理では、このヤングの実験でもめっちゃ深くまでやります。大学は90分授業ですが、ヤングの実験に関連する内容だけで、6回分の授業をするほどです。

 では、ヤングの実験がどうやって発展していくか気になりますよね。ね。

まず光源は点電荷?大きさを持った光源?こんなことに目を向けます。もしも、光源が大きい時はどうでしょうか。光源の上端から出た光と下端から出た光で光路差が生じそうな気がしませんか?これを正確に計算するためには、マクローリン展開、積分を多用することによって計算することができます。

 答えを言ってしまうと、光源の大きさが、λ/4以下だと、鮮明度(明るさ)が大きくなり、干渉が発生するが、それ以上だと、干渉の明暗がはっきりとせず、ヤングの実験は成り立ちません。

 

 また、穴を通り過ぎた光の軌道は本当に我々が計算しているような軌道になるのだろうか。ということも気になりませんか。一応、高校物理では、ホイヘンスの原理ということで、素源波という言葉を聞いて確かに光の軌道は正しそう。って納得している人もいるかもしれません。しかしながら、ホィヘンスの原理を考慮したら、波って後ろにも進んでしまいそうではないですか?要は、素源波から円を書いて交点をつないだものが次の波の位相となっていたわけですが、円の交点は前方にも後方にも存在するから後方にも波が進んでしまいそうということです。ちょっと不思議だなって感じてきましたかね?

これを改善したものがサイデルという人です。これを説明するにはここでは説明しきれないくらい難しいのでやめておきます。(積分や極限と積分、Σの入れ替えなどが必要)

 

 まだまだヤングの実験では考慮しなければならない様々なことがありますが、より複雑になってしまうのでこれくらいにしておきます。興味があれば是非声をかけてください。