2022年1月28日金曜日

法律学とは パート2

こんにちは、AAの伊藤です。
先日一階で作業をしていて寒いと思ったらなんとエアコンがついていなかったです。
私たちがつけ忘れていることもあるので寒いと思ったら声をかけてくださいね。
 
さて、今回はわたしの専攻である法律学の話パート2です。
特に判例について話そうかと思います。
いわゆる判例というのは最高裁判所が判決した裁判例(判決文)のことです。
今日まで多数の事件が裁判で争われていて、さまざまな法的問題点について最高裁判所
が見解として判例を出しています。
条文に書いていないことについては判例の見解が優先されるため、めちゃくちゃ重要です。
特に、条文が抽象的な憲法においては非常に重要で、高校の現社や政経をやる人は判例を覚えておくべきでしょう。
 
判例は実際に起こった事例なので変な状況のことも多いです。
例えば高速道路侵入事件(最決平成15年7月16日 刑集57巻7号950頁)です。
補足するとかっこの中は判例を引用するときのルールになります。
 
事件の概要ですが、被告人(訴えられた人)Aらは公園で約二時間にわたって被害者Bに
対して殴るけるの暴行を加えた後、その後マンションでも暴行を加えていたところ、BはAらのすきを見て逃走しました。
しかし、極度の恐怖で必死に逃走していたため、Aらの追跡から逃れるために現場から800メートル離れた高速道路に侵入してしまい、車にはねられ死亡したという事件です
 
この事件での問題点は、AらにB死亡の責任を問うことができるかという点です。
直接的に殺したのは車の運転手であり、(ただし高速道路上にいる人をはねるのは避けられないので責任は問えません)暴行が原因で死亡したわけでもありません。さらに、普通の人なら高速道路に入るという選択をしないので、ある意味自殺と同じとも言えます。
しかし最高裁は、暴行から逃れるために高速道路に侵入したのは不自然とは言えないのでBが死んだのはAらの暴行が原因である。よってAらには傷害致死罪が成立するとしました。
ちなみに殺人罪ではないのは殺そうと思って殺したわけではないからです。(これを殺人罪の故意がないといいます)
 
この判決の意義はおかしな介在事情(今回は被害者が高速道路に侵入すること)があってもその事情が被告人の行動が原因だった時には死亡結果について被告人が責任を負うことを判示した点です。
 
まあ、本当にこの判決の意義とかを書こうと思うと刑法学の知識(危険の現実化の法理など)が必要なので簡単にとどめておきます。
なんか自分が言いたいことを書いただけで稚拙な分だったかもしれませんがこの長い文章の最後までお付き合いいただきありがとうございました。