2021年11月10日水曜日

法律学とは

 

 

こんにちは、AAの伊藤です。

ついに共通テストまで100日を切ってきました。

スパートのかけ時が近づいてきています。

もう少し耐えていきましょう。

 

さて、今回は法律学とはについて話したいと思います。

法学部に行く人は必ず法律学はやると思いますし

それ以外の学部に行っても一般教養科目として受ける人もいますし

そうでなくても法律は社会を生きていくうえで

必ずついてくるので法律自体は多少知ってはおいた方が良いと思います。

 

法律学とは、もちろん法律を学ぶ学問です。

ところで、法律学が対象とするのは実定法(〜法のように名前がある法律)だけでなく、

法理学(正義とは何か?のように倫理を対象とする)や

法制史(法律の歴史)も基礎法学として対象になります。

しかし、やはりメインは実定法になりますのでこちらをメインにします。

 

実定法をどのように学問するかを少し説明します。

といっても言いたいことがいっぱいあるので、今回は学説の話をします。

まず、実定法は民法や刑法などのように条文があります。

例として刑法199条を挙げます。

 

刑法199条 人を殺した者は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 

でも、こんなシンプルな条文でも実は色々と問題点(論点と言います)があります。

例えば「人」とはどの状況から人と言えるのでしょうか?

まだ母親の胎内にいる胎児は人なのでしょうか?(結論として胎児は212条以下でカバーされているので人に当たりません。)

このような問題点についての解答の道筋が学説になります。

では、次の事例で考えていきましょう。

 

母親ABを出産しようとしていたところ、医者甲がBを殺意持って殺した。

しかし、Bはまだ全身が露出しきっていなかった。

甲の罪責を論ぜよ。

 

法律学の問題(司法試験など)はだいたい上のような感じです。

さて、実はこの問題の結論はどの学説に立つかによって変わってきます。

一部露出説という学説は体内から一部でも露出した時点から「人」と考えます。(理由があるのですが省略します。)

この学説からはBは既に人なので甲の行為は殺人罪に該当します。

一方、全部露出説という学説は全部を露出しないと「人」と考えません。

この学説からはBはまだ胎児なので甲に殺人罪ではなく堕胎罪(正確には不同意堕胎罪)が成立します。

(ほかにもありますが)この二つが理由付きで論理的に両立しているので論争が起きていて、教授によって立場が異なってきます。

 

じゃあ結局どっち取ればいいの?というのが皆聞きたいだろう話です。

裁判所は判例として一部露出説に立っている(大判大正81213日)ので、多くの人は一部露出説に立った解答を上の事例では

書いていくことになると思います。

判例って?という話は次回以降に回したいと思います。

このように条文上分からない所を補完する学説を理解することが法律学の学習として行うことのひとつです。

 

まだ、言いたいことがあるのですが長くなりすぎたのでここでやめます。

次回は判例の話が出来たらいいなあ。