皆さんこんにちは!AAの内藤です。
今日は私の専攻である日本の近代文学についてお話しします。
こちら第4弾になるのですが、第1〜3弾は2021年に公開したので2年ぶりの更新ですね!お待たせしました(?)
ここでこれまでのトピックを振り返っておきましょう。
・第1弾 太宰治と檀一雄の熱海事件 〜「走れメロス」の原点〜
・第2弾 中原中也と小林秀雄 〜親友との三角関係〜
・第3弾 夏目漱石と芥川龍之介 〜師としての漱石〜
こんな感じでしたね!
さて、第4弾では志賀直哉(しがなおや)と武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)の友情について書くことにします。
志賀直哉と武者小路実篤は学習院大学の仲間で、『白樺』という雑誌を創刊したことから「白樺派」と呼ばれています。
彼らは偉業が多すぎて語りきれないのですが、文学史でも出る大事なことだけ紹介しておきましょう。
志賀直哉は生前から「小説の神様」として同時代の文士たちから慕われていました。
かの芥川龍之介も彼を尊敬していたそうです。
代表作は『暗夜行路』『小僧の神様』『城の崎にて』など。『城の崎にて』は教科書に載っているのを見たことがある人もいるかもしれませんね。
武者小路実篤は『白樺』のリーダー的存在。小説を書く以外にも理想郷として「新しき村」を作るために力を入れるなど、精力的な活動をしていた人です。
代表作は『友情』『お目出たき人』など。
この二人は学生時代から80代・90代のおじいちゃんになるまでずっと友達でした。
文豪というと早死にするイメージが強いかと思いますが、彼らのように戦後まで強く生き抜いた人もいるんですね。
志賀直哉の方が若干早くに亡くなるのですが、状態が良くないと聞いた実篤が志賀に「何か欲しいものはあるか」と聞くと、「君の書いたものが欲しい」と返されたそうです。
愛じゃん……
その「書いたもの」をここに引用します。
直哉兄
この世に生きて君とあい
君と一緒に仕事した
君も僕も独立人
自分の書きたい事を書いてきた
何年たっても君は君僕は僕
よき友達持って正直にものを言う
実にたのしい二人は友達
(引用:調布市武者小路実篤記念館 https://www.mushakoji.org/Archive/siritai/siritai016.pdf)
超友愛じゃん……
彼らはお互いに目指すものを持ちながら、ずっと友達として寄り添ってきたのでした。
学生時代を共にした仲間は時に一生の友達になることもあります。
勉強も仕事も友情もぜんぶ大切にしていきたいですね!